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糖尿病の栄養指導(個別指導)

2016年08月26日
糖尿病の栄養指導(個別指導)
私は患者さんに、なるべく笑顔で接するよう、心がけています。
患者さんは、糖尿病と宣告され、どうしたらいいか、不安な気持ちでいます。 私の指導を受け入れて、素直に聞いてもらうためには、患者さんの話を、少し聞いてあげることも必要です。
栄養指導は45分間で予約をとっていますが、初診は
1時間、かけたいところです。 時間がなく、30分以内できりあげようと、一方的に食事療法の説明をし、食べたものを書いてきてくださいと指導しても、次回、キャンセルということもありました。
初回に、じっくり指導すると、「前から、生活習慣や食事を変えなければと思っていたが、きっかけがなかった。指導を受けてから、やらなければという思いになった。」 「間食をやめ、減量し、体調もよくなった。」栄養指導を受けてよかったという患者さんが増えます。
患者さんの声に耳を傾け、その生活環境の中で、できることは何かをいっしょに考え、探すようにしています。 患者さんは良くなったり、悪くなったりを繰り返します。コントロールのよい時はほめて、いっしょに喜び、悪くなったときは、抱えている問題を話し合って整理します。 これから気をつけること、どうしたらいいかを見出して、また前向きに自己管理に取り組めるよう応援します。
診療所は、夜間も外来診療しているので、働きざかりの男性も多く来られます。栄養指導は土曜日もしていますが、休めない、時間が取れないとの理由で、自己流でやっているうちに、糖尿病が悪化してしまう方もいます。
08年から、健診、保健指導がスタートします。働く人たちが、栄養指導を受ける機会が増えることを、期待しています。職場も栄養指導を受けるよう、配慮し、支援していただけたらと、思います。
【揚げ物料理をヘルシーに食べるには】
油は、大さじ軽く1杯=約10gで80キロカロリーと高カロリーの食品です。糖尿病で、ダイエット中、揚げ物はひかえているが、たまには食べたいという方は、参考にしてみてください。
衣に油が吸収されカロリーがあがる。衣の多くついた、かき揚げフリッター、春雨揚げは避ける。
衣は薄くつける。から揚げの給油率は5~10%、天ぷら、フライは10~15%、かき揚げは、約20%。 ただし、なす1個(14kcal)をから揚げにすると、106kcalになるので注意。
水気はよく拭いて揚げる。水気が多いと、揚げるのに時間がかかり、油が吸収されてしまう。 油が古いと、油切れが悪いので新しい油を使う。
低めの温度で、ゆっくりより、適温から~少し高めで、短時間に揚げる。
献立の組み合わせに気をつける。他の料理は、油は使わない、酢の物、お浸し、煮物、和え物、サラダはノンオイルドレッシングに。
揚げ物料理をヘルシーに
糖尿病の栄養指導(集団指導)
調理実習の集団栄養指導の目的
糖尿病の食事療法は、食事内容や食事量を制限され、 患者からは、「何を食べたらよいかわからない」といった嘆きも聞かれる。
食事療法がストレスにならないよう、食品の選び方や「低カロリーでおいしい料理」を作る工夫を指導した。
  • 糖尿病の中級教室として96年より実施。10年間で19回。
  • 対象は糖尿病、高脂血症、高血圧などの慢性疾患の患者。
  • 毎回、テーマを決め、料理とデザート3~4品を作った。
    おかずは、3単位程度とし、ご飯は自分で計るようにした。
    「キノコで健康ダイエット」「揚げ物料理をヘルシーに」
  • 集団栄養指導の診療報酬800円の1~3割を患者が負担。
    材料費は800円。
【結果】
10名前後の参加があり、延べ191名、(男性40名、女性151名)
【症例】
75歳、男性
  • 97年受診時、BMIは23.0、ヘモグロビンA1c 11.0%
  • 60才の頃、糖尿病を発症したが、定年後67才で受診。食事、運動療法で、1年後はヘモグロビンAIc8.3%に下がった。
  • 98年より料理教室に継続参加し、料理に興味を持ち始め、家でもよく料理をつくるようになり、食生活に変化がみられた。
  • 00年にはAIc6.7%に低下、血糖降下剤の服用を中止した。現在はAIc5.8~6.0%に低下した。
  • 5年前に70才で建築士として再就職し、弁当を手作りし、通勤している。休日にはひじき、椎茸の煮物、お浸しなどを作り、冷凍保存するなど工夫している。現在は個別栄養指導を継続している。
【まとめ】
  • 糖尿病食はまずい食事ではなく、旬の材料を選び、調理を工夫すればおいしく食べることができ、食生活も豊かになり、症状も改善されることが理解された。
  • 男性も、自分で料理ができるよう、食の自立を目指すべきだが、そのきっかけとなった。
  • 個別栄養指導とマンネリ化する時期もあるので、調理実習をすることで指導が新鮮になった。
  • 患者同士の情報交換の場になり、仲間づくりになった。患者の元気をひきだすことができた。
―― 著書「栄養士エツコのヘルシークッキング」より ――

幸せは毎日の食卓から
診療所で栄養指導をしている私は、多くの患者さんを前にして、「もう少し食生活に関心を持ち、正しい栄養知識を得ていたら、これほど悪い症状にならなくてすんだのに」と思うことが、しばしばあります。
健康の源である「食」が、いま、簡便化・合理化・ファッション化・・・と、安易な方向に流れています。 食品添加物の多い大量生産の加工品が食卓に氾濫し、手間ひまをかけなくても、24時間食べたいものが手に入る時代だからこそ、体によいものを自分で選択し、調理して食べることが、いっそう大切になっています。 とはいえ、私も、365日の食事を作る立場にある主婦。便利な食品がたくさん出回り、それほど苦労しなくてすむ時代に、なぜ、手間ひまかけて大変な思いをしなければならないかと、ため息の出ることがないわけではありません。 毎日が手のかかる料理では、続かないのも事実です。レパートリーを広げたいのは、簡単に作れておいしい料理。しかも低カロリーで栄養豊富であれば、いうことはありません。
「自分の体は自分で守る」という視点に立てば、栄養学の基礎的知識や、それを体にとり入れていくための調理技術は、老若男女にかかわらず、ひとりひとりが身に付けていくことが必要です。その入門書として、本書を利用していただければ幸いです。

ヘルシークッキング入門
税・送料込 1,050円
朝日新聞社より
1997年10月25日第1版発行
2000年04月10日第2版発行
2009年01月10日第3版発行

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